AIに社内の資料を読ませる時は、最新版かを先に確かめる|具体的な方法を解説
CONNECT BASE 開発担当のNinoです。お疲れ様です!今日は、AIに社内の資料を読ませる前に、最新版かを確かめる方法についての話題です。
共有フォルダを開くと、「規程_最終版」「規程_最終版_修正」「規程_最終版(2)」。どれが今のルールなのか、開いてみるまで分からない。そんな経験、ありませんか。
人なら「たぶんこっちが新しいな」と気づけることもあります。でも、AIは渡された資料を、そのまま信じて答えを作ります。古い資料を渡せば、古いルールで、自信たっぷりに答えてしまうのです。
10月13日に@ITが紹介した調査は、まさにこの話でした。社内規程の整備サービスを手がける株式会社KiteRaが、2026年8月にビジネスパーソンを対象に行ったアンケートです。対象は、勤務先でAIエージェント(指示を受けて、調べものや手続きをある程度まかせて進めるAI)を使っている、または試している1,206人。古い社内ルールや、最新版か分からないデータをAIが参照したせいで、勤務先でトラブルやヒヤリとしたことがあるかを聞いています。
結果を見ると、社内の決まりや法令に反しかけた、または実際に反してしまったという答えが13.4%。約7人に1人です。AIの答えをうのみにして、お客さまや取引先に間違った説明をしかけた・してしまったという答えも23.1%ありました。
AIエージェントを使っていない人にも、他人事ではありません。ChatGPTなどにファイルを読ませて「この規程だと、どうなる?」と聞く使い方は、もう身近になっているからです。
AIは「古い資料」を見分けてくれない
AIが間違えるのは、AIの頭が悪いからとは限りません。多くの場合、渡された資料のほうが古いのです。
AIは、渡された文章を手がかりに答えを組み立てます。その文章が去年のルールなら、答えも去年のルールになります。しかも、言い方はとても自然です。読む側は「AIがそう言うなら」と信じやすくなります。
OpenAIのヘルプページも、ChatGPTは間違った答えを、もっともらしく言うことがあると説明しています。大事な事実は、信頼できる元の情報で確認するように、とも書かれています。資料を渡したからといって、この注意が要らなくなるわけではありません。
同じ調査では、AIエージェントに関わる社内規程や手順書について、見ることはできても古い情報や散らばった情報が混じっているという答えが23.2%、置き場所やどれが最新版かが分かりにくいという答えが12.9%でした。資料の「版」の問題は、決して珍しくないことが分かります。
AIに渡す前に、やっておきたい3つのこと
むずかしい仕組みは要りません。資料を渡す前の、ほんの少しのひと手間です。
1つ目は、資料の日付と版を見ること。ファイル名ではなく、中身の「改定日」や「施行日」を見てください。ファイル名の「最終版」は、あまり当てになりません。分からないときは、その資料を管理している部署や担当の人に「これが今の版ですか」と一言聞いてみてください。
2つ目は、AIに「この資料だけを使って」と伝えること。AIは、渡した資料と、もともと知っている一般的な知識を混ぜて答えることがあります。社内のルールについて聞くときは、「渡した資料に書いてあることだけで答えて」と頼むと、どこから来た答えなのかがはっきりします。
3つ目は、答えの根拠になった文を、そのまま書き出してもらうこと。Anthropicの公式の解説でも、答えの根拠になる文をそのまま抜き出させる、根拠を示せない内容は取り下げさせる、といった方法が、間違いを減らす工夫として紹介されています。「資料に書いていなければ、分からないと答えてよい」と伝えておくのも、同じ解説にある方法です。
そのまま使える頼み方
社内の資料について聞くときの頼み方の例です。[ ] のところを書き換えて使ってください。
これから渡す資料は、[資料の名前]([改定日:2026年◯月◯日]版)です。
この資料に書いてあることだけを使って、次の質問に答えてください。
質問:[聞きたいこと。例:出張の日当は、日帰りでも出ますか]
答え方の決まり:
・答えの根拠になった文を、資料からそのまま書き出してください
・それが資料のどの章・どの項目にあるかも書いてください
・資料に書いていないことは、推測せず「資料には書いていません」と答えてください
・資料の中で、日付が古そうな所や、ほかの所と食い違っている所があれば教えてください
最後の「食い違っている所があれば教えて」は、意外と役に立ちます。古い版の文が一部だけ残っている資料は、少なくないからです。
うまく答えてくれないときは
「資料には書いていません」と返ってきたら、それは失敗ではありません。むしろ、AIが勝手に話を作らなかった、という良い知らせです。資料が足りないのか、聞き方がずれているのかを見直して、必要なら関係する資料を足して聞き直しましょう。
根拠として書き出された文が、自分の手元の資料に見当たらない。そんなときは、その答えは使わないでください。AIが言葉を言い換えたり、別の資料と混ぜたりしている可能性があります。元の資料のその場所を、自分の目で開いて見てください。
使う前に、気をつけたいこと
社内の資料には、お客さまの名前や連絡先、社外に出せない情報が入っていることがあります。AIに渡す前に、一度立ち止まってください。個人情報保護委員会は、個人情報を含む内容を生成AIに入れるときは、目的に必要な範囲かを確認すること、そして本人の同意なしに個人データを入れる場合は、サービスの提供会社がその内容を学習に使わないかなどを十分に確認することを呼びかけています。
同じ調査では、会社が許可していない、または許可されているか分からないAIツールに、社内規程やデータの情報を入れたことがある人が、あわせて49.7%いました。使ってよいAIツールはどれか、まず会社のルールを見ておくと安心です。
そして、AIの答えをもとにお客さまに説明するか、手続きを進めるかを最後に決めるのは、人です。AIの答えは「下書き」や「当たりをつけるための材料」として受け取り、大事なところは元の資料で確かめてから動きましょう。
AIは、渡した資料の質以上の答えは出せません。逆に言えば、新しくて正しい資料を渡すほど、頼りになる相棒に近づきます。次にAIへファイルを渡すとき、まず日付を一目見る。その小さな習慣から始めてみてください。
参考にした資料
- AIエージェントで「約7人に1人が法令違反リスク」 古いルールを参照させた代償とは(@IT)確認日:2026年10月14日
- 【企業のGRC調査】AI時代に問われる「参照元」の信頼性とデータガバナンス。AIエージェント利用・検証中、約7人に1人「規程・法令違反のリスクを経験」、約12人に1人「実際に会社の損害につながった」(株式会社KiteRa・PR TIMES)確認日:2026年10月14日
- Does ChatGPT tell the truth?(OpenAI)確認日:2026年10月14日
- Reduce hallucinations(Anthropic)確認日:2026年10月14日
- 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(個人情報保護委員会)確認日:2026年10月14日
この記事は、一部AIを利用して執筆しています。

