自分でアプリを作る方法 第3回|AIに任せられること、人が担うこと

CONNECT BASE 開発担当のNinoです。お疲れ様です!今日は、アプリづくりでAIに任せられることと、人が担うことについての話題です。

「アプリを作れる人」の顔ぶれが変わってきています

アプリを作る人と聞いて、どんな姿を思い浮かべますか。何年もかけて勉強した人が、黒い画面に英語のような文字をひたすら打ち込んでいる。そんな姿を想像する方が多いかもしれません。

ところが今は、「こんなアプリがほしい」と日本語で頼むと、AIが動く物を作って見せてくれるようになりました。英国で辞書を出している Collins は、2025年の「今年の言葉」に「バイブコーディング」を選んでいます。ふだんの言葉でAIに頼んでプログラムを作ってもらうやり方のことで、それだけ多くの人の話題になったということです。

では、AIのおかげで、アプリづくりは全部かんたんになったのでしょうか。もし自分で作るとしたら、という目線で、変わったことと変わらないことを分けて見ていきます。

一言でいうと、「書く手」はAIに替わり、「決める」と「確かめる」は人に残りました

変わったのは、プログラム(コンピューターへの指示を書いた文)を書く作業の大部分を、AIが引き受けてくれるようになったことです。変わらないのは、何を作るかを決めることと、できた物が思ったとおりに動くかを確かめること。そして、アプリが何でできているかという中身そのものです。

家づくりにたとえると、腕のいい大工さんがすぐ来てくれるようになりました

昔は、自分の手で家を建てようと思ったら、大工仕事を一から覚える必要がありました。今は、腕のいい大工さんがすぐに来て、驚くほどの速さで建ててくれます。この大工さんが、AIです。

ただ、大工さんがどれだけ上手でも、「部屋はいくつ要るか」「誰がどの部屋を使うか」を決めるのは、住む人です。何も言わずに任せると、大工さんは「たぶんこうだろう」と考えて建ててしまいます。建ったあとで「収納が足りない」と気づいても、壁を壊して直すのは大変です。引き渡しの前に、扉がちゃんと閉まるか、雨もりしないかを見て回るのも、住む人の仕事として残ります。

ここで、第1回(アプリは画面・裏側・データの3つでできているという話)を思い出してください。アプリは、使う人が見る「画面」、見えない所で計算や受け渡しをする「裏側」、情報をしまっておく「データ」の3つでできていました。AIが作ってくれるようになっても、この3つが要ることは変わりません。変わったのは、それを組み立てるのが誰か、です。

このたとえ話の大工さんは、もう実際に来ています。変化の速さが分かる例として、Google の最近の発表を2つ見てみます。

2026年5月、Google は、AIに頼んでアプリを作れる道具「Google AI Studio」で、Android(Google が作っているスマホの仕組み)のアプリを作れるようにしたと発表しました。作ったアプリはブラウザの中の試し用の画面で動かせて、Google Play(Android のアプリを配るストア)の開発者アカウントとつなげば、ボタン1つで Google Play の限られた人だけが試せる場所に出せる、と説明されています。

さらに2026年10月13日には、Google AI Studio で作った自分用の Android アプリを、Google Play を通して自分のスマホで使えるようにすると発表しました。ふつうの Google アカウントがあればよく、アプリを配る人向けの登録(開発者アカウント)は要りません。作ったアプリは公開のストアの一覧には出ず、自分だけが使う物として扱われます。まずは米国などの一部の地域で、18歳以上の人から始まるとのことで、日本で使えるようになる時期は発表には書かれていませんでした。

第2回(ウェブで動くアプリとスマホに入れるアプリの違いの話)で、スマホのアプリをストアに出すには審査がある、とお話ししました。今回の発表でも、ほかの人へ広く公開したい時は、プロの開発者向けのアカウントに移り、ほかの開発者と同じ審査と品質の基準を通ることになると書かれています。自分で使う分にはぐっと身近になった一方で、人に届ける時の決まりは、そのまま残っているわけです。

あなたの仕事だと、ここで差がつきます

たとえば、営業の日報を記録するアプリを自分で作りたいとします。AIに「日報アプリを作って」とひとこと頼むと、日付と内容を書き込む画面が、数分で出てくるかもしれません。初めて見ると、これだけでも驚くはずです。

でも、実際の職場で使うことを考えると、決めなければいけないことが次々に出てきます。日報を見られるのは本人と上司だけか、全員か。書いた日報は、どこにしまうのか。外回りの途中にスマホで書けるか。AIは、頼まれていないことを、自分で「たぶんこうだろう」と決めて作ることがあります。その決め方が、あなたの会社のやり方と合っているとは限りません。

つまり、AIで作れるようになったからこそ、「何を作るかを言葉にする力」と「できた物を確かめる目」が、作る人の腕の見せ所になりました。プログラムを書けるかどうかより、そちらのほうで出来上がりに差がつきます。

この知識があると、AIにこう頼めます

AIにいきなり作り始めてもらう前に、まず質問をしてもらうと、思い込みで作られるのを防ぎやすくなります。

[例:営業の日報を記録する]アプリを作りたいです。
使う人:[例:営業の社員8人と、その上司2人]
使う場面:[例:外回りの途中にスマホで書き、上司は事務所のパソコンで読む]
まだ作り始めないでください。
作る前に、私が決めておくべきことを、質問の形で10個挙げてください。
特に、誰がどの情報を見られるか、書いた内容をどこにしまうかについては、必ず聞いてください。

作ってもらったあとは、AIが自分で決めた所を出してもらいましょう。家づくりでいえば、大工さんに「図面に無い所で、自分の判断で決めた所」を聞くようなものです。

作ってくれたアプリについて、私が指示していないのに、あなたが自分で決めた所を全部一覧にしてください。
それぞれについて、ほかにどんな選び方があったかと、その選び方だと何が変わるかも書いてください。
最後に、私が実際に画面をさわって確かめるべきことを、手順の形で5つ挙げてください。

AIの答えは、もっともらしく聞こえても間違っていることがあります。動いたように見えても、入力の仕方を少し変えると止まる、ということも珍しくありません。試す時は、お客様の名前や社内の秘密の情報ではなく、作り物のデータを使ってください。そして、このアプリで仕事を回してよいかを最後に決めるのは、使う人のことをいちばん知っている、あなた自身です。

アプリづくりに必要なもの一覧(全8個)

  • 画面(使う人が見て、さわる所)…第1回
  • 裏側(見えない所で計算や受け渡しをする所)…第1回
  • データ(お客様や予約などの情報をしまっておく所)…第1回
  • スマホの小さな画面に合わせた作り(ブラウザで開いても、スマホで見やすくするため)…第2回
  • ホーム画面に置くための設定(ウェブのアプリを、スマホのアプリのように開けるようにするため)…第2回
  • ストアの審査に出す準備(スマホに入れるアプリとして配る場合に、審査を通すため)…第2回
  • ★今回 作りたい物の説明(何を・誰のために・どう使うかを、AIに伝えるため)…第3回(この回)
  • ★今回 できた物を人が確かめる作業(AIが作った物が、思ったとおりに動くかを見るため)…第3回(この回)

この一覧は、回を追うごとに増えていきます。

うちのシステムの場合

ここまでの一覧の8個のうち、うちのビジネス管理システムでは7個に取り組んでいます。このシステムもAIと一緒に作っていて、何を作るかを文章にまとめた設計の資料と、できた物が正しく動くかを確かめるテストを、プログラムと同じ置き場に置いています。開発146日目の今日数えてみると、プログラムは約29万行で、そのうち約15万行がテストの部分でした。

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今回のまとめ

AIでアプリが作れるようになって変わったのは、プログラムを書く手がAIに替わったことでした。一方で、何を作るかを決めることと、できた物を確かめることは、今も人の役目として残っています。

次回は、アプリができるまでの全体の流れをお話しします。作りたい物を決めるところから、公開したあとの仕事まで、この連載で順番に見ていく道のりを1回でざっと眺めます。

AIのことや、AIでのアプリづくりについての質問を、いつでも受け付けています。X(@cb_nino_dev)で、気軽に聞いてください。可能な限り、一つひとつにお返事します。

次の回:アプリができるまでの全体の流れ

これまでの回は、連載「自分でアプリを作る方法」の一覧から読めます。

参考にした資料

この記事は、一部AIを利用して執筆しています。

“自分でアプリを作る方法 第3回|AIに任せられること、人が担うこと” に対して2件のコメントがあります。

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